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用語集

本用語集は、セッションで登場するAI・技術・戦略関連の用語を、初めて触れる方にも 分かるように平易な言葉でまとめたものです。セッション前の予習や、セッション中・後の 振り返りにご活用ください。各回で新しい用語が登場した際には随時追記していきます。

凡例

太字の見出し=用語(英語表記がある場合は併記)。その下の説明文では、専門用語を できるだけ避けて「要するに何か」を記載しています。各用語は スタートガイドの本文中でもツールチップとして表示されます。


1. AI・生成AIの基本

AIサービスを使ううえで最初に出会う言葉

AI(人工知能)
コンピュータに人間のような知的な処理をさせる技術の総称。ここでは主に「文章を読み書きできるAI」を指します。
生成AI(Generative AI)
文章・画像・音声・プログラムなど、新しいコンテンツを「生成」できるAIの総称。ChatGPTGeminiClaudeなどが代表例です。
LLM(大規模言語モデル)
Large Language Modelの略。大量の文章データから言語のパターンを学習した巨大なAIモデル。生成AIの中核技術です。
基礎モデル(Foundation Model)
GPT、GeminiClaudeなど、AIサービスの土台となる大規模モデルのこと。各社が独自に開発・提供しています。
モデル(モデル名・世代/グレード)
同じAIサービスの中にも、性能・速度・料金の異なる複数のモデルがあります。一般に「高速・軽量タイプ」(速くて安いが簡易)と「高性能タイプ」(賢いが遅く高価)に分かれ、用途に応じて選びます。各社が短い周期で新しい世代を出すため、モデル名や数字は頻繁に変わります。
プロンプト
AIに対する指示文・入力文のこと。「何をしてほしいか」をAIに伝える文章です。
トークン
AIがテキストを処理する際の最小単位。日本語では概ね1文字が1〜2トークン、英語では1単語が1〜3トークン程度。料金計算や処理量の単位として使われます。
入力トークン/出力トークン
AIに渡した文章(入力)と、AIが返した文章(出力)それぞれのトークン量。API利用では「100万トークンあたり◯ドル」の形で課金され、入力より出力の方が単価が高いのが一般的です。コスト見積もりの基本単位になります。
コンテキスト窓コンテキストウィンドウ
AIが一度に読める情報量の上限。「32Kトークン」「200Kトークン」などと表記され、大きいほど長い文書を一度に扱えます。
カットオフ日(学習データの期限)
AIモデルが学習に使ったデータの最終日。これ以降の出来事はAI自身の知識には含まれません。
ハルシネーション(幻覚)
AIがもっともらしいが事実と異なる情報を生成してしまう現象。AIの出力を鵜呑みにせず確認が必要な理由のひとつです。
マルチモーダル
テキストだけでなく、画像・音声・動画など複数の情報形式を扱える能力。最近のAIは画像を見て回答するなどの機能を持ちます。
ファインチューニング
汎用的なAIモデルを、特定の業務や領域のデータで追加学習させて精度を高めること。自社専用AIを作る手法のひとつです。
RAG(検索拡張生成)
Retrieval Augmented Generationの略。AIが回答する際に、社内文書やデータベースから関連情報を検索して参照する仕組み。AIの知識にない情報も正確に扱えるようになります。
エージェント
AIが単に質問に答えるだけでなく、自ら判断して複数の作業を順番に実行する仕組み。例:メールを読む→必要な情報を検索→返信を作成、を自律的に行う。
エージェンティック(Agentic)
AIの使われ方が「聞かれて答える」対話型から、指示がなくても裏で情報を整理し、必要なときに人へ知らせる自律・伴走型へ移っていく流れを指す言葉。人間チームとAIチームが直接・間接に協働する(Human-AI Interaction)働き方の前提になります。
推論(Thinking)モード
AIが回答前に「考える過程」を明示的に実行するモード。複雑な問題でより正確な回答が期待できる一方、応答に時間がかかります。
画像生成AI(Image Generation)
テキストの指示から画像を作り出すAI機能。事業案の情景づくりや、コンセプトのイメージ可視化に使います。Gemini系の画像モデル(通称「Nano Banana」)などが代表例です。

2. AIサービスの利用形態

AIをどのように使うかに関する言葉

チャットAI
ChatGPTGeminiClaudeなど、ブラウザやアプリで対話形式でAIを使うサービス。最も手軽な利用形態です。
主要な対話型AIサービス
ChatGPT(OpenAI)=最も利用者が多い。Gemini(Google)=Google連携が強くAPI無料枠が寛大。Claude(Anthropic)=長文読解に強い。Copilot(Microsoft)=Microsoft製品と連携。Grok(xAI)=Xと連携し最新情報の反映が速い。
スレッド
AIとの一連の会話のまとまり。新しいスレッドを始めると、それまでの文脈はリセットされます。指示文ごとに新しいスレッドを始めるか続きで入力するかは、用途により使い分けます。
Canvas(キャンバス)機能
ChatGPTGeminiで、コードや文書をチャットとは別の編集画面で作成・修正できる機能。コード生成の精度が上がる傾向があります。
Deep Research(ディープリサーチ)
AIが自動で複数の情報源を調べ、長い調査レポートを作成する機能。通常の対話より深い調査が可能です。
Vibe Coding(バイブコーディング)
AIに自然言語で「こういうものを作って」と伝えてプログラムを書かせる開発スタイル。プログラミング経験がなくても、AIとの対話でソフトウェアを作れます。
無料プラン / 有料プラン
各AIサービスには無料で使える範囲と、月額課金で高性能モデルや多い利用量が使えるプランがあります。無料プランでも基本機能は十分に試せます。

3. API・システム連携

AIをプログラムから呼び出して使う際の言葉

API(エーピーアイ)
Application Programming Interfaceの略。プログラムからAIサービスを呼び出すための窓口。チャット画面を使わずに、自動処理の中でAIを使えるようになります。
APIキー
API利用者を識別するための秘密の文字列(パスワードのようなもの)。これを使って「誰がAIを呼んでいるか」を管理します。他人に見せてはいけません。
Google AI Studio
GoogleのAI開発者向けツール。Gemini APIキーをクレジットカード登録不要・無料枠で取得できます(aistudio.google.com)。
従量課金
使った分だけ料金が発生する仕組み。AIのAPI利用では、処理したトークン数に応じて課金されるのが一般的です。
RPM / TPM / RPD
Requests Per Minute(1分あたりリクエスト数)、Tokens Per Minute(1分あたりトークン数)、Requests Per Day(1日あたりリクエスト数)。APIの利用上限を表す指標です。
レート制限(Rate Limit)
APIの呼び出し頻度に設けられた上限。短時間に大量のリクエストを送ると制限に達し、一時的に利用できなくなります。
JSON(ジェイソン)
データの記述形式のひとつ。AIとプログラムの間でやり取りする情報の「入れ物」として広く使われます。
構造化出力
AIの回答を、決まった項目・形式(JSONなど)で返させる仕組み。プログラムで処理しやすくなります。
バッチ処理
データをまとめて一括処理すること。記事100件を1件ずつAIに渡す代わりに、10件ずつまとめて渡すような効率化の手法。

4. プログラミング・実行環境

コードを書いて実行する際に出てくる言葉

Python(パイソン)
AI・データ分析で最も広く使われるプログラミング言語。読みやすい文法が特徴で、AIによるコード生成との相性も良いです。
Google ColaboratoryColab
Googleが無料で提供するクラウド上のPython実行環境。ブラウザだけでプログラムを実行でき、環境構築が不要です。
セル
Colabでプログラムを書いて実行する単位。ひとつのセルにコードを貼り付けて実行ボタンを押すと、結果が表示されます。
ノートブック
Colabでコードを書いて保存・実行する作業ファイル。複数のセルで構成され、上から順に実行していきます。
ランタイム(Runtime)
Colabでコードを実際に動かす実行環境(サーバー)のこと。セルを初めて実行すると「接続中/割り当て中」と表示され、準備に十数秒〜かかります。一定時間操作しないと切断され、その場合は再接続して上から実行し直します。
ライブラリ / パッケージ
他の人が作った便利な機能の集まり。自分でゼロから書かなくても、既存のライブラリを使って高度な処理ができます。
pip install
Pythonライブラリをインストール(導入)するコマンド。Colabではセルに書いて実行します。
RSS(アールエスエス)
ニュースサイトなどが記事の更新情報を配信する仕組み。プログラムでニュース記事を自動収集する際に使います。
スクレイピング(Web Scraping)
Webサイトのページから、プログラムでデータを自動取得する手法。RSSが用意されていない情報源から記事や数値を集めたいときに使います(利用先の規約の確認が必要)。
Markdown(マークダウン)
記号で見出しや箇条書きを表す軽量なテキスト記法。拡張子は .md。AIへの指示文や、当日配布する指示書・原稿ファイルの形式として使われます。
エラーメッセージ
プログラム実行中に問題が発生した際に表示される情報。これをAIに貼り付けて修正を依頼するのが、Vibe Codingの基本的な進め方です。

5. 自動化・アプリ化

作ったものを定期実行したり他の人にも使えるようにする言葉

GAS(Google Apps Script)
Google Workspace上で動くプログラム環境。Gmailの自動送信やスプレッドシートの自動処理など、Googleサービスとの連携に向いています。
トリガー
プログラムを自動的に実行する条件設定。「毎朝7時に実行」「スプレッドシートが更新されたら実行」などの設定ができます。
GitHub(ギットハブ)
プログラムのソースコードを保管・共有するサービス。チームでの開発やアプリの公開に使います。
GitHub Actions
GitHub上でプログラムを定期的・自動的に実行できる仕組み。「毎朝決まった時刻にニュースを集めて配信」といった本格的な自動化を、自前のサーバーなしで組めます。Google Apps Scriptより自由度が高い反面、やや上級者向けです。
Streamlit(ストリームリット)
Pythonで書いたプログラムを、ブラウザで操作できるWebアプリに変換するツール。少ないコードでデータ分析アプリなどを公開できます。
デプロイ
作ったアプリやプログラムを、他の人が使える状態にしてサーバー上に配置すること。「本番環境に上げる」とも言います。
PoC(概念実証)
Proof of Conceptの略。「このアイデアは技術的に実現可能か」を小規模に試すこと。本格導入の前に行う試作・検証です。
クラウド
インターネット経由で利用できるコンピュータ資源(サーバー、ストレージなど)の総称。自社でサーバーを持たなくても、必要な分だけ借りて使えます。
Claude Code
Anthropicが提供するAI駆動開発ツール(コーディングエージェント)。自然言語で指示すると、AI自身がコードの作成・ファイル編集・コマンド実行までを行い、アプリ開発を進めます。セッションで紹介する各種ミニアプリ(対抗戦・事業デザインゲーム等)も、これで高速に開発しています。
AI駆動開発(AI-driven development)
設計・実装の主たる担い手をAIにし、人は「何を・なぜ作るのか」の指示と、出来上がりの品質判断に集中する開発スタイル。Vibe Coding(AIに書かせる)をさらに進め、AIがプロジェクト全体を構築する段階を指します。
GCP(Google Cloud Platform)
Googleのクラウドサービス群。サーバーやデータベースを必要な分だけ借りて、自前のマシンを持たずにアプリを動かせます。
Firebase / Firestore
GCP上で、Webアプリの公開(ホスティング)やリアルタイムなデータ保存(データベース)を手軽に扱えるサービス群。セッションのリアルタイム対抗戦アプリ等の土台になっています。

6. データサイエンス・分析

大量データから価値を引き出す際に出てくる言葉

スコアリング
データに対して点数をつけること。例:ニュース記事に「自社にとっての重要度」を0〜100で評価させる。
クラスタリング
似たもの同士をグループに分ける分析手法。例:100件のニュースを内容の類似性で5つのテーマに自動分類する。
埋め込み(Embedding)
文章や画像を、コンピュータが比較・計算しやすい数値の列に変換すること。「意味の近さ」を数値で測れるようになります。
可視化(Visualization)
データをグラフや図に変換して視覚的に理解しやすくすること。散布図、ヒートマップ、ダッシュボードなど。
散布図
データを平面上の点として配置した図。点の位置関係から、データ同士の類似性や傾向を視覚的に把握できます。
ダッシュボード
複数のグラフや指標を一画面にまとめた表示画面。経営数字やKPIを俯瞰するために使います。

7. 戦略・ビジネスの文脈で使われるAI関連用語

AI時代の事業戦略を議論する際に出てくる言葉

AIX(AI Transformation)
DX(デジタルトランスフォーメーション)のAI版。AIを前提として事業構造や組織を根本から再設計すること。
AIO(AI Optimization)
SEO(検索エンジン最適化)のAI版。顧客が使うAIアシスタントの中で、自社がどう紹介・推薦されるかを意識した施策。
モート(Moat / 堀)
城の堀のように、競合が容易に追随できない防御壁となる競争優位の源泉。独自データ、ネットワーク効果、ブランドなど。
UVP(独自の価値提案)
Unique Value Propositionの略。「自社だけが顧客に提供できる独自の価値は何か」を定義したもの。
VRIO分析
Value(価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の4観点で自社の経営資源を評価するフレームワーク。
AI as a Tool / AI as a Strategy
AIを「便利な道具」として使う段階と、AIを「事業戦略の前提」として組み込む段階の違い。本プロジェクトは後者に焦点を当てています。
AIネイティブ(AI-native)
事業・組織・サービスを、最初からAI活用を前提として設計・構築すること。既存事業へAIを後付けする発想と対比されます。
ハイパースケーラー(Hyperscaler)
大規模なクラウド/AI基盤を世界規模で提供する巨大事業者(Google、Microsoft、Amazon、OpenAI、Anthropicなど)。AI前提の競争環境では、その動向自体が事業環境の前提になります。
競争優位性(Competitive Advantage)
競合より高い価値を持続的に生み出し、顧客に選ばれ続けられる強み。独自価値(UVP)を、他社が追随しにくい形で実現している状態を指します。
模倣困難性(Inimitability)
競合が容易に真似できない度合い。VRIO分析の「I」に対応し、AI時代にはその源泉が「優れたアルゴリズムそのもの」から「独自データ・顧客との関係・運用経験」へと移っていきます。
産業レイヤー/顧客レイヤー
戦略を捉える2つの視点。同じ産業の中で競合と競争・協業する「産業レイヤー」と、顧客が価値を比較・選択し対価を払う「顧客レイヤー」を分けて考える整理です。
暗黙知形式知
暗黙知は、経験・勘・コツなど本人も言葉にしにくい知。形式知は、文章や手順に書き出された知。組織の力は、この暗黙知をどれだけ表に出し(表出化)、共有・活用できるかに左右されます。
SECIモデル(セキ)
暗黙知形式知が「共同化→表出化→連結化→内面化」と循環しながら組織の知が生まれるという知識創造経営のモデル。従来は「暗黙知を表に出す」工程が人手依存で回りにくく、そこをAIで加速できるかが論点になります。
集合知(Collective Intelligence)
個々人がバラバラに持つ知恵や意見を束ね、集団としてより良い判断・発想を生み出すこと。溜まっても引き出せない・声の大きい人に寄る、といった課題を、AIによる構造化やマッチングで解きほぐします。
リスキリング(Reskilling)
事業や技術の変化に合わせて、働く人が新しい役割・スキルを学び直すこと。AIで仕事の中身が変わる局面では、削減か・既存職種への学び直しか・AI新事業への配置転換か、といった人材配分の選択肢の一つになります。
人的資本(Human Capital)
人が持つ知識・技能・経験を、企業の価値を生む「資本」として捉える考え方。AI前提の時代には、人材ポートフォリオ(誰にどんな役割を担ってもらうか)の設計・再配分そのものが戦略の中心テーマになります。

8. 事業デザイン・プロトタイピング

アイデアを素早く形にして検証する際に出てくる言葉

ペルソナ(Persona)
サービスの想定利用者を、年齢・職業・悩みなどまで具体的に描いた架空の人物像。「誰のための施策か」を関係者で揃え、AIにこの人物像を与えて顧客視点の反応を試させる、といった使い方をします。
プロトタイプ(Prototype)
完成品の前に作る試作。動く形にして早く確かめることが目的で、AIを使えば画面案や簡単なアプリを短時間で作って検証できます。
ワイヤーフレーム(Wireframe)
画面やページの「骨組み」を、配置だけで簡素に描いた設計図。色やデザインを作り込む前に、要素の配置と導線を素早く確認するために使います。
ランディングページ(LP / Landing Page)
申込・問い合わせなど単一の目的に絞って訴求する1枚もののWebページ。AIに要件を伝えると、たたき台を短時間で生成できます。
仮想ヒアリング(バーチャル顧客ヒアリング)
AIに顧客ペルソナを演じさせ、想定顧客の反応・本音・ペインを対話で引き出す手法。実在の顧客に当たる前に、事業案の検証を短時間で何度も回せます。

本用語集の内容は2026年7月時点の情報に基づいています。AI分野は変化が速いため、 用語の意味や位置づけが変わることがあります。


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